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空とぶキリン・ネット書店「とぶりんネット」店長のささのでございます。
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詩集紹介「忘れてきた風の街」
きょうは、空とぶキリン社から昨年5月に出版された、

原田亘子さんの「忘れてきた風の街」をご紹介します。

日常生活のなにげない情景の中の、

普通の人なら、つい見逃してしまいそうな

やさしさや、せつなさを、大切にすくい取った詩集です。

まるで心の中を5月の透き通った風が通り抜けるような読後感は、

著者のまなざしの暖かさと深さからくるものでしょう。

第1詩集から20年を経ての第2詩集だと、あとがきにありましたが

とても長い時間を著者は、丁寧にやさしく生きてこられたのだろうと

思ったことでした。




  愛でる


羊水の中から抜けでてきた その時の

湯気を

まだ立ちのぼらせているような

赤ん坊に

大人たちは見入っている



ほほう

ほほうと 愛でている



自分たちもそうされてきたはずの

はるかな記憶

もう覚えてはいないのだが



トンネルのむこうで

ほの白く光るなつかしい日を

蜘蛛の糸をたぐり寄せるようにして

若い母親の抱く赤ん坊を

見つめている



新芽のような

輝きとやわらかさにあてられ

大人たちの胸のあたりは一面

さくら色に染まって

むずがゆいほどだ



赤ん坊は

自分がそんな大仕事をしているなんて

つゆ知らず

小さな体のどっしりとした重みを

母親の細い腕にあずけて

シャボン玉のようなあくびを

しきりにくりかえしている


忘れてきた風の街

2013年5月1日 空とぶキリン社発行
原田宣子「忘れてきた風の街」
定価 1,500円+税

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既刊詩集 | 22:12:38 | トラックバック(0) | コメント(2)
詩集紹介「ぐーらん ぐー」
本日は、やまもとあつこさんの第3詩集「ぐーらん ぐー」をご紹介します。

著者やまもとあつこさんとは、ずいぶん、ずいぶん昔、

「あにまる・ラヴ」という同人誌を一緒にやっていました。

その頃から、やまもとあつこさんの詩は、いつも真っ正直で、ごまかしのない詩だなあ、と

おもっていました。

自分の気持ちがとらえた一瞬の不思議な感覚や

身体が感じ取るものについて、

できるだけ忠実に再現しようと、頑固なまでに取り組んでいるように思えました。

今回の「ぐーらん ぐー」でも、やはり、やまもとさんの詩はまっすぐにこちらに向かってきました。

そして、柔らかでまっすぐな表現の合間で、

切り取る言葉の鋭さが、またいっそう詩を深いモノにしているようにも感じました。

大人になったやまもとあつこさんの (出会ったときも大人でしたが・・・笑)

素敵な詩集でした。

好きな詩を1篇ご紹介します。



   夜


細い虫の足になって

ピアノの鍵盤を

踏んでみる

面積が違いすぎる

と思ってはみるのだが

力をこめて踏む

そのことに集中して

何度も踏みしめる

それでも

びくともしない白い床は

動かないことの快感を

夜の中に

めざめさせていく


ぐーらんぐー

やまもとあつこ詩集 「ぐーらん ぐー」

2013年10月30日発行 1500円 (空とぶキリン社)

既刊詩集 | 23:18:12 | トラックバック(0) | コメント(2)
詩集紹介 「千鶴さんの脚」
お待たせしました。

本日から、「とぶりんネット」取り扱い詩集を

発行日の新しい順に

週1回(毎週月曜日辺りで?)、ご紹介させていただきます。

本日ご紹介するのは、今年の3月31日に出版された

高階杞一「千鶴さんの脚」(澪標)。

四元康祐氏の写真とコラボした、著者初のフォトポエム集です。

写真から触発された21篇の詩は、今までの高階詩とは、少し異質な手触り。

腐敗していく命、不在、哀しみなどが淡々と綴られていきます。

どこか暗い詩が多いのに、読後感がさわやかなのは、

その客観性と、独特の語り口によるものでしょう。

そして何より、最後を飾る詩、「悠久のほとり」に、

気持ちが大きく救われるからかもしれません。

詩集の中から、1篇 ご紹介します。



   カーニバル


道の真ん中で

猫が死んでいました

口から血を流して

星のとてもきれいな夜でした

車が来て

はねられて

ちょうどここに落ちたのでしょうか

まだやわらかい細胞の

ひとつひとつが

今 死んでいく途中です

こんなに楽しい夜に

こんな所で

ひとり凍っていくのは

どんなに淋しいことでしょう

でも大丈夫

明日には

みんなここに落ちてくるのですもの

     
千鶴さんの脚
        「千鶴さんの脚」 (澪標) 1620円(税込) 


既刊詩集 | 00:35:35 | トラックバック(0) | コメント(0)

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